【リフトアップ基準】車高を高くしたときに気をつけるべき基準

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「悪路を走らせたい」、「運転時の視界を高くしたい」というとき、定番のカスタムとして車高を高くすることがあると思います。しかし、やり方を間違えると保安基準不適合の状態となり車検に通らなくなる場合があります。

今回は車高を高くした車で不合格になりやすい基準をまとめました。

灯火器の取付位置(年式による)

地上高を高くすると、灯火器の取付位置の基準が不適合となる場合があります。地上から灯火器の上縁の高さを一定値以下しなければならないという基準があります。下表に灯火器の種類ごとの取付高さの基準をまとめました(年式が平成18年以降の車の基準)。

灯火器車幅灯すれ違い用前照灯
ロービーム
走行用前照灯
ハイビーム
前部霧灯
フロントフォグランプ
番号灯
ナンバー灯
尾灯
テールランプ
制動灯
ブレーキランプ
補助制動灯
ハイマウント
後退灯
バックランプ
後部霧灯
リアフォグランプ
方向指示器
ウインカー
補助方向指示器後部反射器
基準値210cm以下120cm以下基準なし80cm以下※1基準なし210cm以下210cm以下基準なし120cm以下100cm以下※2210cm以下230cm以下150cm以下
※1乗車定員10人以上の乗用車、車両総重量3.5t越えの貨物車は120cm以下
※2他の灯火等と集合式のものは120cm以下

この基準で不合格になりやすいのは、基準値が低い灯火器です。車種にもよりますが、前部霧灯、後部霧灯などは特に不合格になりやすいので、車検に行く前に各灯火器の取付け高さを確認しておきましょう。

直前直左の視界(年式による)

車高を高くすると、視線が高くなるため遠くを見通しやすいですが、逆に車の近くにある小さい物体は視認しづらくなります。一般的な乗用車であれば、年式が平成19年1月1日以降の車には車体前部付近の直前直左の視界の基準が設けられています。具体的には、直径30cm、高さ1mの円柱を車体の外側に沿わせて移動させたとき、運転者席からどの場所でも円柱を視認できるかどうかという基準になります。このとき、円柱の一部でも見えたらよく、直接見えなくても、車に備えられている鏡やカメラで円柱を視認できていたら問題ありません。

ただし、ノーマル状態から取付けられている鏡やカメラではなく、後付けでそれらを取付けるときには取付け方の基準が車の年式によって異なるので注意が必要です。

平成19年1月1日~平成29年1月1日~
鏡体部とその支持部で構成される装置は溶接、リベット、ボルト・ナット、ねじにより自動車の外側表面上に直接取り付ける必要あり鏡体部とその支持部で構成される装置は溶接、リベット、ボルト・ナット、ねじにより自動車の外側表面上に直接取り付ける必要あり
取付部付近の最外側とならないように取付ける必要あり取付部付近の最外側とならないように取付ける必要あり
吸盤で取り付けているものは×吸盤で取り付けているものは×
貼付したシートの上に接着して固定しているのは×貼付したシートの上に接着して固定しているのは×
緩み、がたのある取付けは×緩み、がたのある取付けは×
鏡またはカメラを取り付けた状態でナンバープレートを外せないような取付け方は×鏡またはカメラを取り付けた状態でナンバープレートを外せないような取付け方は×
原則、延長器具を使って取付けているのは×(ただし、溶接またはリベットで取り外せないように取り付けていれば延長器具は使用可能)原則、延長器具を使って取付けているのは×
カメラの配線が外側の表面上に出ているものは×(ただし、条件(※)付きで必要最小限の配線部分は出ていてもOK)カメラの配線が外側の表面上に出ているものは×
(※)溶接またはリベットでカメラを取り付けている場合・・・必要最小限の配線部分は出ていてもOK
ボルト・ナットまたはネジでカメラを取り付けている場合・・・長さ30mm未満の配線部分は出ていてもOKまたは車の下面に固定された必要最小限の配線部分は出ていてもOK

突入防止装置または構造物の取付位置(年式による)

車が後ろから追突してきた際に、追突してきた車が前車に突入することを防止することができる装置として、突入防止装置の装備が義務づけられています。トラックなどの車体後面についている棒状のものが突入防止装置に当たります。

一方、一般的な乗用車にはトラックのような棒状の突入防止装置は付いていないですが、多くの場合、モノコック構造の車であればその後面の構造物、ラダーフレームの車であれば後面のフレームが突入を防止できる構造物(以下、突入防止構造物)として認められています。

平成27年7月26日以降の年式の車のほとんどに、突入防止装置または突入防止構造物の取付位置の基準が設けられています(年式以外にも用途や重量によってはより昔から取付位置の基準がある車もあります。)。車高を上げると、バンパーやフレームの位置も高くなることから、車の突入を有効に防止することができない状態となり不適合となる場合があります。年式が平成27年7月26日以降であれば、突入防止構造物の下縁の地上高が55cmを超えると不適合になります。この基準を満たせない場合は、バンパーの変更やトラックと同じように棒状の突入防止装置を付けるなどの対策が必要になります。

また、突入防止装置はある程度の強度も必要としていることから、後付けで突入防止装置を付ける場合、車検時に強度を証明できる資料を用意するか、性能を担保する刻印がある突入防止装置の取付けを行う必要があります。

サイドスリップ

車高を上げることによりサイドスリップの基準が不適合となる場合があります。サイドスリップとは、直進したときのタイヤの横滑りのことで、基準は「走行1mについて横滑り量が±5mm以内」となります。実際のユーザー車検では以下のイラストのように、左右に振れる踏板の上を真っ直ぐ通過して、この踏板が外側方向または内側方向に何mmスライドしたのかを測定して合否判定されます。

カスタムの過程でホイールアライメントが狂い、横滑り量の基準を超えることがあるため、この基準内に収まるようにタイヤ・ホイールの取付角度等を調整する必要があります。

ヘッドライトの光軸

車高を高くすると、それに合わせてヘッドライトの位置も上にずれるため光軸の基準が不適合になる場合があります。

特に注意したいのが、オートレベライザーという、車高に応じて光軸を調整する機能がある車の場合です。このオートレベライザーはノーマル状態の車の車高を基準として機能します。車高を上げてしまうと、オートレベライザーのセンサーが、「ノーマル状態とは異なる車高」と判断してしまい、光軸を変動させてしまいます。そうなると、車高を検知するハイトセンサーまわりの変更やオートレベライザーの設定をリセットするなどの対応が必要となる場合があります。

改造申請の未提出(※改造に該当しないカスタムであれば提出不要)

カスタム内容によっては、車検を受ける前に独立行政法人自動車技術総合機構に改造申請を提出し、その書類が承認されてないと車検を通すことができません。どのようなカスタムが改造に該当するかは以下のリンク先の「別添2 新規検査等書面審査要領」の21~24ページ目に載っています。

独立行政法人自動車技術総合機構

審査事務規程 | NALTEC 独立行政法人 自動車技術総合機構

例えば、緩衝装置の種類をコイルスプリング式からエアサス式に変更した場合は改造申請の提出が必要となることがあります。改造申請に該当するかどうか不明なときは独立行政法人自動車技術総合機構の最寄りの事務所に尋ねてみると良いでしょう。

おわり

以上、車高を高くすると不合格になりやすい基準でした。

カスタム内容によっては、通常の車検更新で受ける継続検査ではなく、構造変更検査を受けて、車検証に記載された車の高さの数値の記載を変更しなければならない場合があります。構造変更検査については別記事にて紹介することにします。

カスタムを行うのであれば事前に基準を満たせるかどうかを考慮したうえで楽しみしょう。

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